紙のメディアを活用せよ
雑誌「日経マネー」の北澤編集長のお話を紹介しています。最終回。
個人投資家へのアプローチとして、情報と資金の2つの面から、アドバイスがありました。
まず情報面。
機関投資家と平等に、情報を流すことをやめよ。
ヒルズ族に象徴されるように、機関投資家はインサイダー情報を互いに交換して、有利な投資をしています。もともと彼らのほうが有利なのですから、平等=個人に不利、になります。
そのためには、個人がよくみているマスコミ、とくに紙のメディアをもっと活用すること。
「日経マネー」でいうと、雑誌の発売日に、株価が動きます。インターネットの掲示板に、「日経マネーをみて買った」などとよく書かれています。投資家は勉強し、進化しますから、そのニーズに応えてあげることです。
また、投資判断の場として個人が重視している、株主総会をもっと開かれた、参加しやすいものにすること。土日の開催など。
株主優待は有効
次に、資金面。
株式分割をすると、株主の数が増えます。最低でも100万円以上かかるような企業は、個人を無視しているとしか思えません。分けましょう。
女性は株主優待が好きです。お歳暮をもらう感覚で、優待を楽しみにしています。配当と同時に、有効な対策になります。
「うちはB to Bだから、株主に贈呈できるものがない」との嘆きをよく聞きますが、何でもいいのです。
たとえば、おコメであろうが、カードであろうが。
中身や金額をそれほど気にする必要はありません。
お金に代えられないモノのほうがアリガタミもあります。お金なら配当で十分。「株主を大切に思っていますよ」
という気持ちが伝わることが重要なのです。
自社のファンを作ろう
個人投資家の傾向として、1つの銘柄で良い思いをすると、ずっとその銘柄に愛着を抱き、保有しがちです。
個人投資家説明会では、トップに会いに来る人が多いので、必ず社長を出し、商品を展示しましょう。事前に自社情報をインプットしておくのも、役に立ちます。
また、得意な銘柄を5−10ほど、持っており、安いときに買って、高くなると売る、という行動を繰り返します。
いわばスタビライザー(安定)株主になるわけで、そのためにこそ、継続的・戦略的なIRが必要なのです。それを忘れないでください。