PRキーマンとの出会い

日経マネー編集長 その2

今年は損をした個人投資家

雑誌「日経マネー」の北澤編集長のお話を紹介しています。
日経マネー誌の調査によると、個人投資家に対する「今年株でもうけたか?」の問いについて、「もうけた」22%、「半々」16%、「少し損」32%、「かなり損」29%でした。
「少し損」と「かなり損」は、ネットトレーダーとみられ、とくにバリュー(割安株)投資をした人は、安値で買ったつもりがさらに安くなり、損を被ったようです。
日経平均株価は年初よりわずかに高いだけ、ジャスダックはほぼ下がりっぱなし。昨年の大幅高の反動、大相場の調整が目立ったので、当然でしょう。
機関投資家は、国際優良銘柄で、ちゃんと利益を上げていますが、個人は中小株が好きなので、損が膨らみました。(私もですが・・・)

企業の不実、相次ぐ

北澤編集長は、「株安の原因に、企業の不誠実な行動があった」とも指摘。
モラルハザードが横行したといいます。
JALの大増資、MSCB(転換価格(下方)修正条項付き転換社債)発行などは、既存株の希薄化を招き、既存の個人株主をバカにしている行為。
レックス(牛角、ampm)のMBO(経営陣による買い取り)は、業績の下方修正をしてからのMBO発表で、長期保有者は大損です。
また、新日鉄などで株式もちあいが復活。三角合併の解禁をにらんで、持ち合いや第三者割当増資が増え、個人は疎外されそうです。
楽天、USENなど、M&Aや買収で売上を増やしてきたネット企業の売買ゲーム(=倍々ゲーム)も、行き詰まりました。
決算の下方修正や延期が続出した会計不信。もちろんライブドアの会計監査法人や、中央青山監査法人の消滅(「みすず」「あらた」に)もありました。
昨年は必ずもうかったIPO(新規株式公開)も、不良品が相次ぎました。
ビッグカメラはIPO直後に業績の下方修正。確信犯でしょう。あおぞら銀行、アコーディア・ゴルフは、投資銀行の売り逃げでした。上場するほどの魅力がまだないのに、公募価格割れも当然でしょう。

個人投資家の3つの自由と3つの制約

個人投資家は、機関投資家と違う、3つの自由と制約があります。

まず自由は、
1:決算がない=時期の理由で買ったり売ったりしなくていい
2:保有・売買ルールがない=損ぎりなどの縛りがない
3:いいわけ不要=なぜ売買したか、他人に説明する必要なし

そして制約は、
1:情報=機関投資家との格差まだ大。レポートが来ないなど被害者意識ある
2:資金量=せいぜい数百万円ていど
3:投資手法=たとえば金融工学を駆使したクオンツなどは無理

なお、日本の投資パターンは、個人も機関投資家も、逆張りで、上がれば売り、下がれば買います。外国人はこの逆です。
では、こうした特長を持つ個人投資家に、企業はどんなIRをすればいいのか?次号に続きます。

日経マネー編集長 最終回

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