PRノウハウハウツー

捨てる勇気

目先や知識、経験に惑わされない

話題の本「千円札は拾うな。」(安田佳生、サンマーク出版)を読みました。
人材・営業コンサルティングのワイキューブ社長が書いています。
なるほどね、と内容に関心しつつ、すぐ読み終わってしまいました(笑)
その理由は下に。
要約すると、こんな感じです。
「目先の利益にとらわれてはいけない。少々の知識や経験に惑わされるな。
常に未来をみすえ、その場その場で決断せよ。理想を忘れるべからず」

ベストセラーの理由は

この本が売れた理由を考えてみました。

○著者がベンチャー経営者として、知名度がある。
→学生の就職先人気企業としての背景があります。

○ビジネス書にしては、安め(1200円)の価格設定で、ページ数が少なく、余白も多い。
→若い読者を想定している。
中身の情報量、深さより、読みやすさ優先。
大量に売ることを最初から狙っています。

○緑色の表紙。
→出版業界では、緑の表紙はタブーとされ、あまりみかけません。
逆に、その分、書店で目立ちます。

○タイトルが「拾うな」という禁止形。
→広告・PRの世界で、マイナスの表現はNGとされています。
勧誘が目的なのに、わざわざ躊躇させることにつながるからです。
これも逆に目立ちました。なぜ?と興味をひきます。
「転職は慎重に」という転職支援会社のコピーも、社内や広告会社の反対を押し切って、社長が決めたそうですが、かえってインパクトがでています。
「雪国もやし」も高いぞ、と脅し話題になっていますね。

言いたいことは1つだけ

内容に言及すると、

○主張が簡潔。
→いいたいことが、すごく理解しやすい。
 人も世の中も変化をし続けるのだから、自分も1ヶ所にとどまらず、
常に変化し続けなければいけない。そのためには、「捨てる勇気」を持て。

ことわざにたとえると、
「身を捨ててこそ、浮かぶ瀬もあれ」に近いでしょうか。
変化についていくためには、決断の連続を恐れるな、既存の常識、
成功体験、周りの目などに、妥協してはならない、と述べています。
迷いがちな若者に、明確で強烈なメッセージになっています。
特に若いうちは、小さなお金程度にしがみついて、大事な将来を見失うな、
と呼びかけています。

その説得力も、経営者として、ユニークな企業として、十分あります。
※私が発行しているメルマガ「3分でわかる!広告の達人」で紹介し、企業のPRに役立つと推薦してきた、小泉元首相のスタイルに近いものを感じました。「1テーマ」、「繰り返し」、「他人の逆を行く(逆説的)」などです。
御社の企業PR,商品PRにも参考にしてみてください。
(小泉元首相の分析は、弊社HPで無料配布している「マスコミ人脈MAP」の中に入っています。