新聞の素朴な疑問アレコレ
前回掲載した「新聞休刊日のなぞ」には、たくさんの「面白かった」「もっと知りたい」との声をいただきました。
そこで、他にいただいた質問の数々に、わかる範囲でお答えすることにしました。
Q1.スポーツ新聞って、なぜスポーツ以外の記事も載っているのに、「スポーツ」といういちジャンルだけで命名されてるんでしょう?
A.確かに、今では「エンタテイメント新聞」といってもよさそうな、幅広い内容ですよね。
なのに、「スポーツ紙」と呼ぶのは、初めにプロ野球の報道からスタートした媒体のためです。今ですら、相当のスポーツ紙は野球ファンで支えられているのです。
プロ野球から始まって、他のスポーツに広がり、さらに、ギャンブル、レジャーへも進出。読者層の拡大を狙って、手を広げて、今に至る、というところでしょうか。
Q2. 北朝鮮の核実験で号外が発行されていました。「号外」って、いつでるんですか?
A.新聞休刊日です(笑)。あとは、「秋篠宮家に長男誕生!」など、特別なニュースのあったとき。
新聞社で印刷している間に、インターネットで瞬く間に情報が広がる時代なので、もうこれは新聞の古きよき時代の遺物ではあります。
ただ、休刊日にでるときは、直接関係のない記事まで載っていることもあります。ついでに、押し込んでいる感じアリ。
ちなみに、号外、英字新聞、海外での発行などは、新聞社の広告宣伝行為、に近いです。ビジネス的には大赤字なのに、やめられない。
販売の現場は
Q3. 週末にやってくる「新聞とってくれませんか?」の販売員の方たちも、大変そうですが、休みはどうしているんでしょうか?
A.彼らは、新聞拡張員といって、新聞社の社員ではなく、また販売店の従業員でもありません。
1人1人独立しており、拡張団というものを組織し、各地を転々としながら新規開拓のみにあたり、売上げを挙げると、その地域の販売店からギャラをもらう仕組みになっています。
最近は購読獲得合戦もそれほどでなく、チケットや洗剤程度しかもらえませんが、昔は、A紙とY紙などはとくに激しく争い、鍋・釜、はては電子レンジなど高額品が宣伝材料として飛び交い、「インテリが作って、ヤクザが売る」とまでいわれていました。
Q4.休刊日でも仕事をされる新聞記者の家庭はどうなってるんでしょう?家庭サービスは無縁なのか、家族旅行でもしてフォローしてるのか。。。
A.はっきりいって「母子家庭」状態です。
子供の寝たあとに帰宅して、学校にでていったあと、起床しているので。
新聞記者に限ったことではないでしょうけれど・・・
最初からその覚悟で一緒になってくれる女性(男性)でないと厳しいでしょうね。
逆に考えれば、高給取りなのに忙しくて不在なので、妻子ばかりで自由に消費につぎ込める?といえないこともありません(笑)
「亭主元気で、留守がいい」なんて、川柳もありましたっけ。
Q5.少子高齢化でそもそも新聞配達をする人材の確保に困っているという実態はないのでしょうか?
A.これは深刻な問題のようです。
私が配達員をしていた頃は、もっぱら日本人の若い男性ばかりでしたが、次第に女性が増え、不況で年配者が増え、それでも足りずに、日本人以外もどんどん進出しているようです。
配達に使う貨物自転車って、頑丈な分、重いんですよね。あの前カゴと後ろの荷台に新聞を200部も積むと(しかも折込チラシが満載)、もうヨロヨロしてしまい、ハンドルをコントロールできずに、転んだことも一度や二度ではありません。
雨の日に転ぶと、新聞がダメになってしまうので、また店に戻って積み直して。泣きたくなりました。(経験談)