PRキーマンとの出会い

高田明氏(ジャパネットたかた代表取締役)

売上1000億円のテレビ通販

先日、テレビ東京「カンブリア宮殿」で、テレビ通販の「ジャパネットたかた」の社長が出演していました。
長崎県佐世保に本社を置き、全国にテレビなどを通じて、家電などの商品を売りまくる、独特の商法が取り上げられました。
その発想がユニークで、企業のPRに大変参考になると思ったので、紹介します。
商店街の小さなカメラ店から、今期売上1000億円へ。急成長の秘訣は、その卓越したコミュニケーション能力にありました。

経験からコミュニケーション力を磨く

以下は、PRを考えるときに参考になりそうな部分です。プレスリリースを書くときも、念頭においてみるとよいでしょう。(ポイント)

1 商品の特性を絞り込む・・・アレもコレもいわない
2 キーワードの連呼・・・繰り返すことで、耳で覚えてもらう
3 お得感の強調・・・セットで売る。おまけをつける
4 機能より楽しさを伝える・・・使い方を提案する。機能の差は小さい。

これらはいずれも高田社長が自らの販売経験から、気づき、確立したものです。人口の少ない街では、待っていても客は来ない。打って出るしかない、という危機感が背景にありました。
最初は温泉旅館の客に写真を売り込み、ついで、ラジオ出演をきっかけにマスコミのパワーに目覚めて、マスコミを使った通販を始めました。
印象に残ったコメントは、
・商品にほれ込む(必ず自分で使ってみてから売る)
・惚れれば、自然に熱い言葉が飛び出してくる
・商品を使ったら、どう幸せになれるか?を考える(お客ならどうする?)

PRしてどうするか、まで考える

高田社長の信念も垣間見ることができました。
「客との信頼関係を作る」
「1回で売ろうとしない」
「今客が何を求めているか、を感じて、大事にすれば、売上はついてくる」
「できる、と信じること。続けること」
「考えるより、行動してみる」
お客さんは中高年の女性が多く、こうした考え方に基づく丁寧な説明、アフターフォローが人気の秘密のようです。
長崎弁も、かえって信頼感を醸し出しているようです。きれいごとの広告に消費者が慣れてしまっている裏返しかもしれません。
本来なら対面で商品説明したほうが、細かく丁寧にできるはず。その短所をクリアしようと、さまざまな知恵と工夫を凝らしたプロセスが伺えます。
マスコミに取り上げてほしい、マスコミを活用したい、だけにとどまらず、それを通じて、どうしたいのか?お客さんのメリットは何?の部分まで、PRするときに踏み込む必要がある、と改めて感じました。
皆さんはいかがですか?