一点突破の効果〜形容詞で呼ばれる
では、一点突破をすると、どういうことが起きるのでしょうか?
まず形容詞がつくようになります。
「○○の伊藤商店」というような。
小泉首相の場合、「郵政民営化の小泉」になっています。
こうすると、たとえば前代の森首相なんて人が、「さて、何をしたんだっけ?」と首をかしげたくなるのに比べ、際立った特徴を持つことになります。
ただこの一点で、彼は歴史に名を刻むでしょう。
そして、多くの人の目をひきつけ、関心を集めることになります。中身の良し悪しを別にして、とにかく注目して、「どれどれ?」と手に取り、吟味してみようという気にさせることができます。
派生効果が起きてくる
さらに、「では小泉はほかにどんなことを考えているんだろう?」と派生的に興味を生むことにつながります。
別の例で言うと、ある作家が芥川賞や直木賞をとると、その人の過去の作品まで売れ行きがあがるようなものです。
それまで見向きもされなかったのに(笑)
もしあなたが、まんべんなく売ろうとすると、かえってエネルギーが散漫になり、結局どれも中途半端になってしまうのです。
むしろ、ただ1つに集中して、すべてを一点に集め、ほかはあとからついてくるくらいにしたほうが、とくに武器(人、モノ、金)の少ない中小企業にとっては、効率的なのです。
ここをぜひ学んでください。
続けること
ただ、一点突破をするとき、注意することがあります。
それは、「効果が出るまで、続けること」です。
私が小泉首相に初めてインタビューしたのは、もう10年ほど前になりますが、すでに彼は「郵政民営化をやる」といっていました。
当時は誰も相手にしていませんでした。
いいかえれば、10年以上いい続けて、やっと表に出たともいえるのです。ちょっとやってみてダメだったから、やめておこう、では、たいした効果は期待できません。