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記者クラブの活用 その2

記者発表は専門の記者クラブで

記者クラブを用いて記者発表を行うためには、自分が発表しようとする内容は、どの記者クラブで受け入れてくれるかを知る必要があります。

たとえば、東京の中小企業の場合、基本的には東京商工会議所の「東商記者クラブ」が記者発表の場になるのですが、中小企業であればどの企業でも東商記者クラブで記者発表できるかというと、そうではないのです。
東京商工会議所に設置されている記者クラブですから、東京商工会議所に加盟している企業でなければ、そこで記者発表を行うことはできません。
また、機械関係の記者クラブで、サービス業の企業が発表しようとしても無理です。まずは、自社が所属している業界団体を確認し、その団体が加盟している官庁、公的団体の記者クラブを探しましょう。
なお、どこの業界団体にも所属していない場合は、記者クラブを利用できないので、別途、ホテルや会議室に会見場所を設定して、記者に声をかけて集まってもらうことになります。

未発表のものだけしか記者発表できない

「未発表のものだけしか記者発表できない」。
これが記者発表の大原則です。
つまり、すでに発売されているものを、たとえそれが記者発表の前日に発売されたものであっても、「○月○日に発売しました」と過去形の記者発表をすることはできませんし、未発売であっても、すでにどこかの新聞や雑誌で記事になったことを、記者クラブで記者発表してはいけないのです。
記事だけではありません。新聞や雑誌、テレビなどでその商品が露出してしまった後には記者クラブで記者発表はできないことになっています。
これは、記者クラブに常駐している記者がニュース(NEWS)、つまり新しいものを追い求める記者であるわけで、すでに発売されているものやどこかの媒体が紹介したものには、ニュースとしての価値はありませんから、当然のことではあります。
記者クラブで記者発表をした場合、全国紙などで紹介される可能性が高くなりますし、雑誌などの編集者も新聞の新製品欄などから情報を得ていますから、その波及効果は非常に高いといえるでしょう。
ですから、新製品の販促計画を立てる時には、記者クラブでの記者発表をいつ行うかを念頭に置きながら、同時に広告のことも考え、いつどの媒体に出すかを決めていくべきでしょう。
広告掲載は、あくまで記者クラブで記者発表を行った後でなければなりません。
逆にすると、記事には掲載されない、と覚えておいてください。

記者発表は予約制

記者クラブで資料配付をする際に、忘れてはならないことのひとつ。
クラブは基本的には「予約制」ということです。
発表したいから、といって、すぐにできるわけではありません。
記者発表をする48時間以上前に、記者クラブに電話を入れ「○月○日の何時何分に記者発表をする」と連絡しなければならないのです。
しかも、土・日・祝日はその48時間にはカウントされませんから、たとえば月曜日の午後1時に記者発表をしようという場合には、遅くとも木曜日の午後1時には連絡を入れなければならないのです。
もちろん、その期日までにプレスリリースを作成し、誰が発表するかを決めておかなければなりません。
日経記者の経験から言うと、記者会見には、最低でも役員クラスが出席すべきです。
部長以下の、中間管理職、ましてや広報課員レベルでは、記者のほうが相手にしてくれません。
「しょせん、決定権があるわけではないだろう」とみなされてしまうのです。
これも含めて注意していただきたいのは、記者会見を開いたからといって、記者が集まってくれるわけではない、記事になるわけではない、ということです。
開くのはそれほど難しくないにしても、記者に関心のあるネタでなければ、誰も聞きにきてくれません。会見に出席しなければならない義務があるわけでなし、記者は忙しいので、スケジュールが空いていたら行こうかな、と思っている程度と考えたほうが正確です。
また、会見を聞きにきたとしても、内容がつまらなければ、掲載に至りません。
そのまま記者の段階でボツになる可能性も高く、さらに原稿を記者が書いてくれても、デスクの段階でボツになることもあります。
過大な期待は禁物です。

記者クラブの活用 その3

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