PRノウハウハウツー

記者クラブの活用 その1

記者クラブとは?

PRに関係した仕事をする人で、「記者クラブ」を知らない人はいないでしょう。
一般のビジネスマンでも、そういうモノが存在する、といった程度の知識くらいはあると思います。
ただ、それでは、有効活用しているか?と問われたら、いかがでしょう。
PRに携わるに当たっては、記者クラブはぜひ詳しく学び、有効に活用したいものの1つです。
これから数回にわたって、基礎知識から、その知られざる秘密まで、記者クラブの活用法について、お話します。

「記者クラブ」とは、もともとは各官庁、都道府県庁、市役所、各種団体などの「各公共機関に配属された有志が集まって親睦、社交を目的とするものであり、取材上の問題に関与しないもの」(日本新聞協会方針)とされた親睦団体のはずでした。
しかし、実際にはほとんどが「取材のための窓口機関」となっており、基本的にそこにマスコミ(新聞社やテレビ局など)の記者が常駐しています。
記者たちは何をしているかというと、その公共機関で取材活動を行ったり、記事のネタになるものが来るのを待っています。
たとえば、様々な事件がすばやく報道されるのは、警察の記者クラブに記者が常駐しているため、警察に何か大きな動きがあれば、すぐに取材をして記事にできるからです。
つまり記者クラブは、そこで「記者発表」(プレスリリースを持っていき配布すること)や「記者会見」を行えば、そのクラブに加盟しているマスコミに、情報を一斉に渡すことができるという点で、PRをする上で非常に便利な機関なのです。

記者クラブの種類

ひとことで記者クラブといっても、政治関連の記者クラブもあれば、経済関連の記者クラブ、スポーツ関連の記者クラブ、レジャー関連の記者クラブなど種類も様々です。
その数は、東京だけでも50以上の記者クラブがあります。
その他、県庁をはじめとする地方自治体に県政記者クラブや市政記者クラブがありますから、全国では数百の記者クラブがあると言っていいでしょう。
その多くは官公庁に設置されていますが、それではその官公庁の記者クラブは、官公庁が与える情報だけを対象として記事を書いているのかというと、必ずしもそうではありません。
たとえば農林水産省には農政クラブや農政記者会といった記者クラブがありますが、そこでは農林水産省に関係のある企業、たとえば食品メーカーなどが新製品の記者発表を行ったり、記者会見を行ったりしています。
また、このような官公庁の記者クラブ以外にも、経団連や東京商工会議所、自動車工業会といった民間団体に経済団体連合会記者会や東商記者クラブ、自動車産業記者会といった民間の記者クラブがあります。
これらの記者クラブでは、基本的にはその団体に加盟している企業であることを条件に、記者発表を行うことができるのです。

記者発表の仕方

「記者発表を行う」といっても、具体的に何をどうすることかご存じのない方も多いでしょう。
そこで、記者発表をどのように行うのか。
そして、記者発表の際に注意すべき事項について、いくつかあげてみます。

まず記者発表とは、記者クラブでプレスリリースを配布することをいいます。
記者クラブには全国紙や通信社、専門誌の記者が常駐していますから、その記者全員に行き渡る数だけプレスリリースを印刷して、持っていかなければなりません。
その数は、たとえば経団連記者会の場合は53部、自動車産業記者会は37部、重工業研究会は34部と記者クラブによってまちまちですし、時々増減がありますから、記者クラブに電話をして確認を取りましょう。
また、プレスリリースを持っていくだけでなく、その記者発表と関係のあるチラシやカタログなどがあった場合には、それらの参考資料も同時に配布することができますから、記事を書くのに役立つものがあれば同封した方がいいでしょう。
記者発表の時には、それらのプレスキット(セットのこと)をひとつひとつ封筒に入れて持っていくのが基本です。
封筒に入れないで持っていっても、配布をさせてもらえないわけではありませんが、一日にたくさんのプレスリリースが配布されますから、自社封筒に入っていないと、どれがどの会社のプレスリリースか、参考資料がどれなのか分からなくなってしまいます。
記者の方も整理しやすくなりますから、わかりやすくするため、
自社の封筒(なるべく目立つほうがよい)に入れて記者発表を行うようにしましょう。

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