社長コラム

女王アニカ・ソレンスタムとスウェーデンのゴルフ事情

オープンで安い高級ゴルフ場

スウェーデン東南部のドライブを続けるうち、ゴルフコースが目に付きました。
本土から大橋を渡った、エーランド島でのことです。
ここはスウェーデンきってのリゾートアイランドで、王室の保養地もあるほど。
キラキラと光る海がさわやかで、島も独自の文化らしく、風車が今でも生活に利用されていました。
島の中心地、ボリーホルムに向かう途中で、「GOLF AND RESORT」と書かれた看板をみつけ、入ってみました。
いかにも高級そうなゴルフ場で、クラブハウスなど施設も立派。
レストランには暖炉もありました。
ふと水着姿を見かけたので、?と思い、よく観察すると、プールがあり、お父さんがゴルフをしている間、子供は泳いでいるようでした。

1人でもプレー可。カートは自分で

コースは18ホールが2つある、つまり通常のコースの二倍の広さがありました。
驚いたことに、ほとんどが二人組で、しかもゴルフバッグを載せたカートをゴロゴロ自分たちで引きずって歩いていました(日本はほとんど乗用カートで、自分たちも乗車するか、リモコンで操作)
おまけに、格好はほとんどがTシャツに短パン姿。
海に向かっての傾斜面を利用したコースは、とても気分がよさそうでした。
(日本では、短パンは絶対ダメ。Tシャツも怒られ、エリのあるシャツのみ)
「ずいぶんリラックスしたゴルフ場だなあ。でも高いんだろうな」
と訊ねてみると、なんと1人8000円!(日本の栃木・群馬なみ。埼玉・千葉はその二倍)
税金だけでなく、スウェーデンの物価の高さに辟易していただけに、この安さは驚きでした。
しかも、「1人でのプレーも可。場合によって、別の1人と組んでもらうかも」
というオープンさ!(日本で1人は絶対不可。2人組でも嫌な顔をされる)

市民ゴルフ場は犬も同伴可

翌日、キャンプ場近くでもゴルフ場を発見。
のぞいてみると、いわゆる「市民ゴルフ場」といった趣きで、あっさりした感じ。
ちょうど「65歳以上のお年寄りサービスDAY」だったらしく、多くのお爺ちゃん、お婆ちゃんが、やはり自分でカートをゴロゴロ引いていました。
ココでびっくりしたのは、犬をカートにつないで、プレーしているのを見たこと。
まあ、なんとフレンドリーなんでしょう。
心なしか、犬も広いコースに気分がよさげでした。
こちらも料金は安く、6000円。1人でもOK。しかも
「今日の午後でも、空いているので入れるよ」
とのこと。
1ヶ月以上も前から予約して、雨でも台風でも、
「せっかく予約して楽しみにしていたんだから・・・」
と無理してプレーする日本と、なんという差でしょう。

世界の女王を生む土壌

スウェーデンのプロゴルファーといえば、アニカ・ソレンスタム。
男子ではタイガー・ウッズ、女子では彼女が、世界のナンバーワンです。
アメリカのタイトルも総なめにし、宮里藍選手も目標にしています。
スウェーデンで、ゴルフがこんなに普及していて、老若男女、多くの人が気楽に楽しんでいるとは知りませんでした。
女王を生んだのは、日本のように、意味のない形式ばかりにこだわって、オジサンばかりが独占してきたのとずいぶん違う、バックグラウンドに、その理由があるような気がしました。
何事も、頂点はそのすそ野があって、初めて成り立つものですからね。
国土の広さ、人口の少なさだけではないと思います。
(オジサンはよく「ゴルフは紳士のスポーツだ」というが、あんたが紳士か?といいたくなるマナーの悪い人が多い。笑)
日本も、早く世界的なゴルファーの生まれる素地にしたいものです。

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