社長コラム

安倍内閣の人事と政策を読む

安倍内閣スタート

臨時国会で安倍氏が首相に選出され、いよいよ新政権が船出しました。
本の続きや、組閣、政策などで、いくつか気になった点を書きます。

組閣人事から

人事では、塩崎官房長官が、親しみやすくていいですね。
インタビューしたことがありますが、自民党の政治家にしては(?)、正直で普通の人っぽいです。(なんと学生結婚。笑)
首相補佐官を5人おき、官邸機能強化を図ったのも○。官僚に対抗するには、絶対必要です。アメリカのホワイトハウスに比べると、日本の官邸はスタッフが少なく、寂しすぎ。
逆に、ハズレは、農水大臣。松岡氏はいわゆる「ベトコン議員」(守旧派の農協などの味方)なので、農政改革は進まないことに決まりましたね。
ヤレヤレ。

政策から

前回取り上げた以外の政策では、官の改革に期待したいところ。
本にも、「二一世紀に相応しい行政機構の抜本改革・再編を行う」「定員削減や能力主義の導入といった公務員改革を断行」とあり、ノウノウと生き残っているグウタラ公務員に、今度こそメスを入れてほしい。
教育も、バウチャー(クーポン券)制度創設を唱えており、格差是正に期待できます。
親の財力によって子供のいける学校が決まってしまう、高所得者と低所得者が固定してしまう弊害が見られるので、私立学校の学費を国が補助するバウチャー制度は有効でしょう。
経済については未知数です。本にもあまり書いていません。
このところ株価が軟調なのは、サプライズと強力なリーダーシップのあった小泉首相が退任し、日本の構造改革がどうなるか、外国人投資家が様子見をしているからです。
株価形成は、外人がまず買い、個人投資家が続く、というパターンなので、ライブドアショック以降、個人が傷ついているなか、外人も引いてしまったら、また下がっていくでしょうね。景気悪化につながります。
10月に中国を電撃訪問して、靖国問題で途絶えている外交を復活、経済交流も取り戻す、などの噂が流れていますが、「安倍首相も大丈夫だ」という安心感がでるまで、年末くらいまでに、実績をつくる必要があるでしょう。