選挙はPRがすべて
4年に一度の統一地方選挙・前半戦が終わりました。
東京の知事選では、石原氏が圧勝し、地方の知事選でも、現職が地位を確保しました。「有権者はあまり変化を好まなかった」、といえましょう。
選挙は、PRがすべてです。
候補者がいくら優秀で、よい考えを持っていても、それを多くの人に知ってもらわないと、当選して実現することはできないからです。
政治家にとって、死命を制するわけですから、全力を傾けて、死に物狂いでPRに努めようとします。
このため、企業のPRにとっても、非常に学ぶことがたくさんあります。
有権者としてだけでなく、PR手法を学ぶ機会として、選挙を見てみることをお勧めします。
当選には「地盤・カンバン・かばん」の3条件が必要
具体的に、参考になりそうな話をしましょう。
そのまま自社に当てはめてみてください。
なお、選挙の名手(?)小泉前首相のPR手法については、無料で差し上げている「マスコミ人脈マップ」に詳しく書きました。よかったら参考にしてください。マスコミリスト263媒体も掲載しています。
さて選挙では「地盤・カンバン・かばん」の3条件が当選に必要といわれます。
1・地盤
得意とするテリトリーのことです。
出身の地域、住んだ・勤めた地域、勤務していた会社・団体・官庁など、自分を絶対に応援してくれる母体が必要です。
企業で言えば、得意客、販売代理店などでしょうか。戦いを進めるときの中心になってくれます。どんどん増やしていくのも大事です。
知名度と大義名分がいる
2・カンバン
知名度・大義名分のことです。
知名度から言えば、なんらかの有名人であったり、官庁やマスコミなど社会的な信頼のある組織の出身、大企業、労組、政党、宗教団体など圧力団体の幹部であったりする必要があります。
大義名分から言えば、なぜ今、この人を応援して、当選させる必要があるのか?を皆が納得する理由です。
東国原(そのまんま東)知事は、「汚職をなくし宮崎県の再生を」と掲げましたね。「東京オリンピック反対」「滋賀県にもう新幹線の駅はいらない」など。政策はココに入ります。
できるだけわかりやすく、誰でも理解できるよう、簡略化したメッセージにするのがコツです。ゴチャゴチャ難解では、多くの人に伝わりません。
企業でいえば、社長のプロフィール・個性、商品の特徴・キャッチコピーなどが当たるでしょう。「だからウチはすごいんです」「だからこの商品はお買い得なんです」といえるようにしましょう。
軍資金もいる。例外を除いて
3・かばん
軍資金のことです。
いくさに弾薬・兵糧を欠くことはできません。
選挙では、たくさんの人を動かさなくてはなりませんし、事務所の設置、宣伝車・移動用車の手配、ポスター・チラシ・HP・ノボリ旗などの制作、マイク・写真撮影などなど、多くの宣伝用ツールが必要です。
たとえ裏金を使わなくても(笑)、相当のお金がかかるのです。選挙法の改正で、ある程度公的資金でまかなえるようになりましたが、それでもかなりいります。
企業で言えば、PR予算の確保、実行部隊集めに相当するでしょうか。実行部隊は外注の協力会社であってもかまいません。素人が時間を無駄にするくらいなら、PRのプロを使いましょう。
3つの条件のどれかがなくても、例外として当選する人はいます。私がブレーンをしていた菅直人・民主党代表代行は、その典型で、当初はお金も地盤もありませんでした。私も食事以外はボランティアでした(笑)。
ではどうしたか?という話はまたにして、今日はまずこの必要3条件を自社に当てはめて考えてみてください。