報道ステーションの取材を受ける・・・あなたならどうする?
先日、テレビ朝日「報道ステーション」のインタビューを受けました。
社会保険庁が解体され、日本年金機構に衣替えする法案が閣議決定されたので、意見をきかせてほしい、とのことでした。
以前「年金術」(文春新書)という本を書いたので、目に留まったようです。
最近は「PRマン」として黒子役に徹しているので、自分がメディアに露出することはあまりしていません。
とはいえ、今回の件は、マスコミへのアプローチを考える方に、メディア側の行動パターン・考え方が参考になると思うので、これまでの経験も加えて、テレビ取材のポイント・対応策をご紹介することにしました。
ポイントその1:いきなり取材依頼が来る
報道ステーションのディレクターから電話があったのは、放送当日の朝。
「これこれしかじかなので、夕方撮影させてもらえませんか?」ときました。
テレビの場合、報道・社会情報番組は、「その日暮らし」「ハンド ツー マウス」の作り方をしています。そのため、このように、いきなり取材申込みがきて、すぐ撮影・放送となるケースが多々あります。
なので、ここで「えーっ?急には無理ですよ」といってはダメです。
協力的でない、という印象を持たれ、二度と連絡がこなくなります。「無茶を言うなあ・・・。前からわかっていただろう」と内心思っても(笑)、できる範囲で対応することをお勧めします。
企業であれば、社長をすぐ探し出し、スケジュールを変更させる、不在なら会長、担当役員を出すなど、チャンスを逃さないようにしましょう。
<対策>いつ取材がきても大丈夫な体制を準備しておく出演させたい人の緊急連絡先を複数、控えておく。
ポイントその2:言って欲しいコメントがある
テレビ取材の場合、まず電話でディレクターがいろいろと聞いてきます。
「あれはどうですか?」「これについてどう思いますか?」などなど。10分以上はヒアリングをします。
これは、本当にカメラクルーを連れて、わざわざでかけ、欲しいコメントを取れるかどうか、「この人でいいのか?」と頭の中でチェックしています。
ここで、「電話で失礼だ」「めんどうだなあ。直接話したいのに」などと嫌がってはいけません。取材の最大のポイントは、実はこのロケハンです。
テレビに限りませんが、メディアが取材するとき、必ず何らかの意図があります。「結論をこうしたい」「こんな問題意識がある」「番組の特色・カラーはこうだ」などです。
なので、電話で話すうちに、相手の意図を探り、発言をそれにあわせて、話す必要があります。そうでないと、せっかく答えても、採用されません。
もちろん、事実でないことを述べたり、自分の意見を曲げてはいけません。
ただ、一方的に話すのでなく、相手の望んでいる内容を踏まえてあげることです。その中に自分の言いたいことを盛り込みます。
あちこちの番組に出演しているコメンテーター、評論家は、これが上手です。
「私に話させると、面白いですよ」と引き込みましょう。
<対策>相手が言わせたいことを、瞬時に探る練習をする情報バラエティ、ニュース番組で、司会者の質問に、コメンテーターがどう答えているか、観察する