タバコ会社のPR部長
ユニークな映画の試写会をみました。
14日から公開の「サンキュー・スモーキング」です。
主役はタバコ会社のPR部長。
禁煙の逆風が吹き荒れる中、巧みな話術を武器に、日夜マスコミの矢面に立ち戦い続けるさまを描きます。
「ああいえば、こういう」「揚げ足取り」などの応酬の連続で、ディベートのお手本にも使えそうです(笑)
PRマンが映画の主役になったこと自体、画期的だと思います。
今年就職活動をした学生に聞くと、某PR会社には2000人の就職希望者が押し寄せたそうなので、日本でもタイムリーかもしれません。
どんな相手も煙に巻く
映画のキャッチコピーが、
「彼はウソをつかない。ただ、真実に手を加えるだけ」。
これには、ウーム、と唸ってしまいました。
これはPRの本質を突いているといっていいでしょう。
言い方を変えたり、たくさん露出したり、角度を変えてアプローチすれば、同じ内容であっても、まったく違うもののように、見えるからです。
この本質を知っているかどうかでは、企業のプレゼンス、商品の売れ行きに大きな格差がでてくるのは間違いありません。
「情報操作の術5か条」として、PR部長が説くのは、
・論点をすりかえろ
・相手の予想を裏切れ
・自分も相手側に立ってしまえ
・先手必勝。先に仕掛けろ
・時には負けたフリもよし
すぐに使えるテクニック
具体的な事例として、
・名刺を忘れたとき
「名乗るほどの者ではございません」
・デートに遅れたとき、
「はやる気持ちを抑えるのに手間取っちゃって」
・アルコールに対する非難を受けたとき、
「酔っ払いが人をひいたら、GM社のせい?」
・夕飯のおかずがスーパーの惣菜だったとき、
「このおかず、売れるくらいおいしいよ」
・嫌な上司に飲みに誘われたとき、
「同伴料をいただきますけど、いいですか?」
いずれも、笑いながら、すぐにも使えそうな言い方です。
マスコミ対応に頭を悩ます方に、PRの手法を考える方に、お勧めしたい映画です。