では、それはなぜでしょうか?
一言でいうと、「わかりやすい」「切れ味がよい」からです。
選挙を何度も戦った経験からいうと、時間の限られた、短い選挙運動期間中にたくさんのことを、有権者に訴えるのは、とても難しいです。
街角で演説をしてみても、ほとんどの人は通り過ぎてしまいますし、ビラや選挙公報などを熱心に読む人も限られています。
候補者としては、まじめにいろいろと考えているので、あれもこれも本当は言いたい、話したいのです。
しかし、ほとんど届かない・・・
まじめな人ほど、話が難しくて、理解に時間がかかる、という結果になってしまっています。(私の近しい菅直人がそうです。笑)
マスコミの功罪
とくにマスコミがどんどん発達してきているので、じっくり考えるより、パッと見のよさ、耳障りのよさが非常に重要になっています。
小さな発言やうわさが、あっという間に増幅されて、瞬く間に広がってしまうからです。
小泉首相は、「人生いろいろ」発言で失笑を買いましたが、今度は「郵政民営化は是か否か」によって、一気に政局の流れ=メディアの流れを作ってしまいました。
これは、広告宣伝戦略として、非常に有効でした。
(ずっとマスコミを重視してきた首相秘書官の飯島氏の手腕も、かなり入っていると思われます)
覚悟を決めた上での、スパッと手を打った切れ味に良さに、政策の中身うんぬんより、多くの人はリーダーシップなり、美学なりを感じ取って、小泉人気を盛り上げてしまいました。
何より、それほど郵政民営化に関心があったとは思われないのに、急に選挙が大きな話題になったのが、その証拠です。
「刺客」を送り込む手法は、マスコミの格好の取材対象になり、嫌でも「民営化賛成は改革派、反対は守旧派」のレッテルを貼られてしまいました。
中小企業へのヒント
この小泉広告戦略は、じつに多くの示唆に富んでいます。
ぜひよ〜くウオッチングして、自社の宣伝と比べてみてください。
次回、どうやって企業宣伝に生かしていくか、をお話します。