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記者クラブの応用 その2

記者発表と記者会見の違い

正確に言うと、「記者発表」とは、単にプレスリリース・資料の配布をすること、をいい、「記者会見(記者発表会)」とは、会社の役員などが出席して、記者に集まってもらい、口頭で説明をすること、をいいます。
たとえば、通常の新製品とは違った画期的な製品、あるいは是非とも記事にしてもらいたい業績の発表などは、単なる資料配付ではなく、記者発表会(会見)がベターです。

記事として掲載される確率がかなり高くなりますし、紹介される紙面の大きさも大きくなりがちです。
またプレスリリースの配布だけでは誤解を招きかねないことを、口頭で念を押しながら説明することで、正確な、好意的な記事を書いてもらえます。
なぜかといえば、記者から見て、実際にその会社の人から、プレスリリースに書いてないことまで聞き出すことができるからです。
なぜその商品を開発したのか、開発にどのような苦労があったのか、といった裏話が聞けることもありますし、その製品から離れて業績など経営面の情報なども、質疑応答の時間に聞き出すこともできます。
記事を書く場合に、内容に膨らみをもたせることができますし、ついでに、周辺情報も入手できるので、記者の出席率が格段にアップし、記事になりやすいのです。

モニタリングもあり

実際に商品を持ち込む「サンプリング」よりも、もっと記者の理解を得る方法もあります。
それは、実際に新商品を記者に使ってもらう方法です。
記者に一定期間貸し出しをして、その良さを直接利用者として、肌で理解してもらうのです。「モニタリング」といいます。
ノートパソコン、デジタルカメラなどでよく使われている方法で、キヤノンなどは、記者を集めた撮影練習会まで、定期的に開いています。
ここまでされると、記者も商品に親近感がわきますし、直接試したことで、プレスリリースや他人から聞いた話でない、生の感想を書き込めるので、かなり記事になりやすいです。
もちろん、商品によりけりですが、できそうな商品であれば、一度試してみるといいでしょう。
雑誌などで「読者モニター」をときどき募集していますが、その記者版と思ってください。
記者を「第一消費者」とみなすのも、1つの手です。

クラブの注意点

ここで、いくつか記者クラブについて、注意しておきたいことをあげます。
まず、「記者クラブ」もしくは「記者会」と名乗るところが、すべてPRするために有用かといえば、必ずしもそうではありません。
たとえば、旅行記者クラブやレジャー記者クラブは、記者クラブ本来の目的を果たすための「親睦団体」に過ぎず、記者室に記者が常駐しているわけではありません。
このような記者クラブもありますから、実際に記者クラブを活用しようという場合には、事前にクラブに電話をして、活動実態を確認してください。
また、すべてのメディアが記者クラブに加入しているわけではありません。
雑誌はほとんどありませんし、テレビも名前だけ加入で、記者の常駐していないところがけっこうあります。全国紙でも通信社任せにしているクラブもあります。
私の経験で常駐が最少だったのは、日経+共同通信+時事通信、だけでした(笑)。

こうしたウラ事情は、好評予約販売中の、<裏ワザ編>DVD「日経新聞にこう売り込め!」をご覧ください。

田中康男・長野県知事の「脱・記者クラブ宣言」など、「記者クラブ」にいくつか問題点があるのは事実ですが、PRをする企業にとっては、一度に主要マスコミと接することができる記者クラブは非常に使い勝手のいい機関ですから、これを活用しない手はないでしょう。

記者クラブの応用 その1
記者クラブの応用 記者クラブは、プレスリリースの配布を行うだけの場所ではありません。 この記者クラブを使って、さらなるPRを行うことも可能なのです。 そのひとつが「サンプリング」です。 たとえば食品会社が新製品発表をする時、プレスリリース...