社長コラム

稲川会の抗争

熱海の名物

ここ数年、東京・神楽坂で仕事をし、熱海で生活をしています。
熱海といえば、「温泉」「海水浴」「新鮮なサカナ」などのイメージをお持ちの方が多いでしょうが、実は、他にも名物がイロイロあるのです。
たとえば、あの「ヤオハン」は熱海の八百屋さんから出発しましたし、橋田寿賀子さんなど文化人の家が多いとか。
今、もっともホットな話題は、「稲川会」の跡目をめぐる争いです。
初代が熱海で創業し、東日本中心に勢力を拡大、山口組、住吉会に次ぐ、日本で3番目に大きな指定暴力団にまで大きくなりました。構成員は1万人弱といわれます。
昨年、創業者の息子である三代目がなくなったので、四代目を決めなくてはいけませんでした。
ところが、三代目の番頭格だった人が、健在である初代を味方につけて「四代目」を横浜で襲名披露をし、なんと同じ日に、三代目の息子が、創業の地・熱海で「五代目」を襲名したのです。

熱海の稲川会

稲川会の現在の本拠地は、東京・六本木ですが、熱海にも、2ヶ所、拠点があります。
1つは熱海の中心地(市役所から約150メートル)、海に近いところにある元々の本拠地、もう1つは「ヤマ」といわれ、少し坂を上ったところにある、塀の高い白い家です。
「ヤマ」のほうは、私の家からかなり近く、初めて熱海に住んだころ、タクシーで通り過ぎ、「この家は大きいねー」といったら、「これは稲川さんち、です」と答えが返ってきました。
地元の人たちは、みな「稲川さんち」で通るようです。かなり地元に密着しているようです。
また大手スーパーの近くに、会の駐車場があり、黒塗りピカピカの大型車がずらりと並んでいます。いつも若者が洗車をし、ナンバーがすべて「1111」なので、わかりました(笑)

稲川会、分裂か?

漆間・警察庁長官(かつて週刊文春で「日本の官僚」(田原総一朗著)のスタッフをしていたとき、取材相手だった)が、わざわざ、「稲川会は、事実上の分裂状態にあるとの認識を持っている」とコメントを発表したくらいですから、かなり深刻な状態であるようです。
熱海にいても、普段は稲川会の活動を目にすることはあまりありません。
ただ、毎月(夏は毎週)行われている花火大会では、露店の仕切りや交通整備などを手がけています。
私は一度駐車場所を間違えて、いかにもそれらしい若手に、車を蹴飛ばされたことがあります(笑)
狭い道を、黒塗りの車がすごい勢いで追い抜きをかける姿も見かけます。
一見わからないところにも、こうしたウラの世界は確実に存在します。
しかも、必ずしも「悪」だけではなく、それなりに社会的役割も果たしています。
映画「ゴッドファーザー」のニューヨーク・マフィアが港の労働者組合からスタートしたように。
ただ、抗争で一般人にはあまり迷惑をかけないようにしてほしいものです。
なお、詳しく知りたい方は、「週刊アサヒ芸能」を読んでください。
あの業界で「アサヒ」いえば、朝日新聞でなく、アサ芸のことです。