PRノウハウハウツー

プレスリリースの書き方 その2

読まれてなんぼ、のプレスリリース

目立たないと読まれない!まずは形から

ではプレスリリースを読ませ、記事を書いてもらうためにはどうすればいいのでしょうか?

まず心がけたいのは、プレスリリースを読んでもらうこと。プレスリリースの入った封筒の封を開けてもらうことです(郵送の場合)。
これが結構大変なのです!あなたが、自分の郵便受けでDMを見たときの反応を思い出してください。いちいち全部開けてみますか?
捨てられずにみてもらうには、簡単に言うと、目立たなくてはいけません。
そのために、社名が入った封筒を用意しましょう。
だからといって奇をてらったものは好ましくありません。ワンポイントで会社やブランドのロゴが入ったものの方がいいでしょう。
何もプレスリリース用の特別なものでなくても、通常業務で使っている封筒で問題ありません。
大事なのは、毎回同じ封筒を使うことで、封筒を見ただけでどこから来たものなのかを印象づけることです。そうすることで普段プレスリリースを開封しない人でも、「いつも送ってくるけど一体どんな会社のものなのだろう」と気になって開封してくれたりします。

社名入りの封筒と用紙を使う

サイズはA4サイズが折らずに入る角二の封筒がいいでしょう。というのは編集者や記者、ライターの机の上は様々な資料が雑然と置かれている場合が多く、小さい封筒だと机のどこかに紛れてしまう可能性が高いからです。
また、プレスリリースに写真を貼付する際なども、小さい封筒だとどうしてもプレスリリースとは別に写真を封入することになります。
そうすると、雑然とした机の上で、プレスリリースと写真とが行方不明になったりするかもしれません。
そんな事態を未然に防ぐためにも、角二の封筒を用い、写真はプレスリリースに貼り付けるようにしましょう。
角二の封筒は発送をする際、プレスリリースを三つ折りなどにする手間が省けるという点で、発信者側にもメリットはあります。
ただし、郵送の場合送料が若干高くなるので、メール便などを使いましょう。
それから、リリースを印刷する紙も、社名やロゴが入ったレターヘッドを用意しましょう。
これも毎回同じものを。リリースが複数枚になる場合は、1ページ目だけで十分です。
海外の高級ブランドの企業などは、ブランドロゴのすかしが入った紙を2枚目以降に使っています。お金はかかりますが、ブランドイメージをマスコミに伝えるうまい方法です。
何かワンポイントのアクセントでプレスリリースに特徴を持たせることができるとベターですね。

ニュースとは何か?マスコミにとっての価値

プレスリリースは、マスコミにとって情報の入手手段のひとつです。
ではどんな情報が、プレスリリースとして適切なのでしょうか?
たとえば、新製品の発売や新サービスの開始の情報、あるいは企業業績や役員人事、各種イベントなどの情報。
つまりニュースとして価値のある情報です。
広告であれば、旧商品であっても露出することはできますが、プレスリリースの場合、そこにニュース的価値がなければマスコミは取り上げません。
ここが大切なところです。
私が日経の記者になったとき、最初に「ニュースとは何か?」とデスクに問われました。かなり根元的な問いかけで、どう答えていいか困っていたら、「ニュースとは、NEW(新しいこと)Sだ」といわれました。
つまり、世の中から見て、その情報はどこが新鮮なのか?なぜ価値があるのか?マス・メディアという社会的に影響力を持つ、ある種公共的な権力を使って伝えるべき情報なのか、を常に考えよ、ということでした。
リリースを書く際には、ぜひこれを自問自答してください。自信を持って言い切れるまで、そのネタを練ってください。

自社の都合とマスコミの都合は一致すると限らない

なぜなら、リリースを発信する側にとって必要十分なことが書いてあったとしても、それは記者や編集者が記事にしたいことと一致するとは限らない、のです。
一般的な新製品リリースの場合、
「A社が、○○といった特徴を持つBという商品を、□月□日に△△円で発売します」といった内容です。
これでは発信者にとっては十分なつもりでも、記者や編集者にとって十分な内容とはいえないでしょう。
いくら一生懸命作りました、開発に○年かかりました、などと主張しても、世の中には関係ないのです。
先にも述べたように、記者や編集者のもとに毎日数十通のプレスリリースが届けられていますから、このような内容だけでは、リリースを出したとしても、「だから、なんなんだ」とポイ捨てになるだけです。
その新製品に、流行や傾向といった時代の流れを反映した何かがある、あるいは何らかのプラスを社会にもたらす、という意義付けがあることで、その新製品は初めてニュースとしての価値がでてくるのです。
数多くのプレスリリースの中から選ばれるためには、外見だけでなく、中身についても、他社のプレスリリースとの差別化が求められます。必ず社会性に言及することが、採用されるコツです。

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