セミナー

伊藤雄一郎×藤沢久美 対談「企業と個人投資家の今」

個人投資家はなぜ株を買い始めたいのか?
-IRの次にくるもの-

伊藤:
最近個人投資家が増えていますが、どう思いますか?
藤沢:
投資セミナーをやりますと、ここ一年半はまったく聴衆の人が変わってきました。これまでは、教養を身につけようとか、面白い話を聞ければいいという方が多かったのですが、今は投資について学びたい、人生のお金の運用をキチンと学びたいという方が非常に多いです。特に質問も非常に厳しい内容が多くなっています。例えば、経済指標の見方や財務諸表の内容について等の専門的な質問もあります。
伊藤:
個人金融資産の内、株式の占める割合が増えています。データを調べてみましたが、2003年3月で株式の比率は、2.8%でしたが、04年06月で5.9%と倍以上になっています。また、ネット専業証券の6社の口座数が04年10月末で150万口座、1年前に比べて1.5倍に増えています。つまり、毎日2000口座増えています。しかも、Eトレード証券によると04年4月以降の新規顧客内訳は、初心者の方が6割特に20代~30代が目立つという事です。既存の証券会社では、60才前後が平均年齢なので、一気に若返っているのが現状です。つまり、これに対してIRも変えなくてはいけないというのが私どもの認識です。
藤沢:
IRはこれまで、機関投資家向けだった訳です。個人の投資家の売買高が上がっているなかで、私に見えてきているのは、長期保有としての株式であり、そこには投資を通じて社会に参加しようという方が増えています。特にその意識は、女性の投資家に多いという印象です。そういう投資家(長期投資を考えている)に対してどういうIRをするのかは、これまでの常識にはなかった訳です。では、どうすればいいか? ここからは、伊藤さんにお聞きしたく思います。
伊藤:
マスコミ業界においての私の師匠は、田原総一朗さんです。田原さんの言葉ですが、「大衆は決してかしこくない、しかし決して愚かでもない」。総選挙の結果をみて田原さんが口にした言葉です。
これは、個人投資家にも通じる所があるのではないでしょうか? 企業から見ると個人投資家の方は、バラバラで捕らえどころがないと思われているのではないでしょうか? どう対策をとっていいのかわかないと思われているのではないでしょうか? しかし冷静に真剣に個人投資家の方と向きあえば、また語りあえば見えてくるものがあるのではないかと思います。それが私どもリミテッドの提案です。
藤沢:
個人の方と冷静に向き合って語り合う為にどういう事を行うのでしょうか?
伊藤:
個人投資家の方の顔が見えていますか? という事です。自社の株式を保有する個人投資家の方々の内訳を分析されていますか? 年齢層、性別等ご存知ですか? 役員の方が個人投資家の方とお話した事がありますか?
有名企業であれば、説明会を開けば、アナリストや機関投資家は集まります。しかし、個人は違います。自分の命の次に大事なお金の問題ですから、興味があれば向こうからどんどん来ますが、なければどんどん離れます。つまり、仕事として義務的にリサーチしている機関投資家やアナリストとは、まったく違う対応が必要という事です。
藤沢:
私もIRのお手伝いをさせて頂いているのですが、「PI」というところに注目したく思います。これはPresident Identity(プレジデントアイデンティティ)の略で、非常に重要です。
その意味は、投資家だけでなく、IRをする時に重要なのは、会社のよさをわかる人がどれだけたくさんいるか? という事です。それはつまり、従業員です。一般的に投資家を見つめがちですが、従業員は、最大のIR担当者であり、PR担当者なのです。その人たちの意識を高め、私たちの会社は素晴らしい企業だと語ってもらう為には、経営者がどのようなビジョンを持ち、どのような考え方で将来性を考えているのかをしっかり伝える事がなにより大切です。
又、社内にいると、経営者に会えない訳ですし、経営者の声はなかなか聞こえてこないものです。そこで外のメディアを使って本当のすがたを伝えていくのです。そして従業員のモチベーションを上げていく、そして自分の会社について自信を持って語れるようにする。又、アピールするには、外に向かってアピールするだけでなく、プレジデントアイデンティティを従業員にどう伝えるかも加われば、効果的だと思います。
伊藤:
私どもがお伝えしたしたいのは、一つ目には、もっと情報を公開しましょう。という事です。もっとトップが表に出る。自分達が常識だと思っている事を伝える。二つ目は、もっと上手に伝えましょう。という事です。素晴らしい技術や財務力を持ちながら株価に反映されていない企業があまりに多いのが現状です。
例えば、ニュースリリース(大方の企業では、ただ配信しているだけです。)どこの企業も似たり寄ったりです。マスコミはおいしいエサに食いつくものです。つまりエサを作る必要があります。話題にしなくては、いけません。
自社のよい所を膨らまし、わかりやすく、やさしく伝える事です。言い換えれば、主婦や子供さんたちにもわかるように伝える事です。話題にする為のテクニック、ノウハウが弊社にはあります。
藤沢:
メディアをいかに使ってIRをするかがこれからのテーマだと思います。今は、ネットの時代です。TVだけではないと思います。スートリーというものをIRの中にいかに取り入れて企業というものを誰にでもわかるようにどう伝えて行くのか、いかにIRを伝えて行くのか。これからの私のテーマの一つは、メディア・インキュベーションです。メディアを使って企業をインキュベートする事です。
伊藤:
リミテッドは、そのお手伝いを戦略的にさせて頂きます。「ディスクロージャービジネス・カンパニー」これが弊社のキーワードです。つまり、これまでのIR支援会社とは全く違います。
企業様といっしょに行動し、考えます。社員は誰でもよく知っている情報を、経営者は知らない、或いはその逆もあります。この社内情報格差をなくすところからはじめましょう。ですから実際には、事実関係を把握するコンサルティングがまず必要です。
その秘訣の一つは、スピードです。もう一つは、失敗を恐れない事です。例えば、ソフトバンクです。ここは個人投資家が多い事で有名です。何十もの日本やアメリカの会社を買って、何十も売っています。つまり売ったという事は採算に乗らなかった訳です。つまり失敗です。
しかし、個人投資家は、その失敗をマイナスとは捉えず、チャレンジスピリットを買ってファンであり続けているのです。今の時代は、失敗を恐れては乗り切れません。挑戦する姿勢に個人投資家は食いつくのです。結果として株価は上がり、知名度はアップします。これはあくまで結果でしかないのです。
伊藤:
次のような悩みがある方は、是非、弊社にご相談ください。
・パプリシティに取り上げられる数が、同業他社より少ない。
・今までの、IR活動について不満な点がある。
・個人投資家を増やしたいが、どうすればいいのか?
・CSRの効果的導入は、どうすればいいのか?
・企業に認知度を上げたい、少予算でどこまでできるか?
・企業広告の効果がはっきり見えない。
御社といっしょに考え、いっしょに行動致します。
本日は定員を2倍以上超える方々にお集まりいただき、誠にありがとうございました。