通信社の仕事とは?
先日、共同通信社のあるデスクと、久々に飲みました。
お互いヘアスタイルがすっかり変わってしまって(笑)
私は共同通信も時事通信も、知人がたくさんいます。
最近は両社とも、保有する電通株が上場されたため、いきなりお金持ちになり、きれいな新社屋を作りましたね。
そこで、今日は、PR関係者から「何をしているのか、わかりにくい」、といわれる、通信社の仕事について、お話しましょう。
まず、普段の仕事。
記者は、新聞やテレビの記者とほとんど同じ仕事をしています。
記者クラブに所属し、ニュースを追いかけ、原稿を書きます。
違うのは、「紙面・画面を持たない」、つまり「自前の媒体を持たない」。
朝日新聞の記者なら、書いた原稿は、朝日新聞に載ります。日本テレビ記者なら、日本テレビの番組で放送されます。これがないわけです。
通信社は「B to B」
どういうことか?というと、通信社のお客さんは、読者ではなく、新聞社やテレビ局なのです。通信社は、情報を自らの媒体を通じて売るのではなく、新聞社やテレビ局に売っているのです。
「B to C」ではなく、「B to B」なのです。
なので、「速報性」が最大のウリであり、まず通信社が取材して、新聞社やテレビ局がそれを元に、取材にかかる、というパターンになります。
たとえば、首相など政府要人の追っかけ(国会内など除く)は、たくさんのメディアがいくと大混乱になるので、代表して、共同と時事のみがすることになっています。
PRで活用するには?
媒体を持たない、ということは、逆に言うと、「どこにでも記事が載る」ともいえます。テレビでも新聞でも、自分の書いた記事が、いくつもの媒体に掲載されることになります。
なかでも、通信社のお客さんは、地方紙です。
中日、北海道、西日本など「ブロック紙」、県単位の「県紙」などは、東京にそれほどの記者をおいていないので、その分を通信社からのニュースに頼っています。
また、日経新聞の社会面も、通信社をよく使っています。(社会部の記者が少ないので、紙面を作るのに情報が足りない)
紙面などに、わざわざ「通信社の記事」とは書いていないので、誰が書いたか、わかりにくいですが。
つまり、東京からPRする側から言えば、地方の人たちに伝えたいネタは、直接地方紙などにコンタクトしづらいので、通信社の記者に話すことで、可能になります。
朝日、読売などの全国紙は、一応全国で読まれているといいますが、実際に地方では、そこの地方紙のほうが圧倒的に購読され、信頼されています。
全国で売れそうな商品については、ぜひ通信社の活用をお勧めします。
(余談)そのデスクが、「共同と時事は合併すべき」といっていました。ロイター買収などをみると、戦前は同じ会社だったし、ありえるかも・・・