PRノウハウハウツー

動機付けをしてあげよう その4

BMW、ピザハットの例

BMW

さて、今日は、また別の例をご紹介しますね。
BMWは、2000年に当時まだ新メディアだったブロードバンドを使った広告PRをしかけました。普及率が10%足らずのときです。
売り上げは最高を記録していたのに、ブランドとしての独自性が出せていない、TVCMなどでは顧客層にアプローチできないという問題があったのです。
有名・新鋭監督を使って高額予算の映像を配信することにし、普通の映画のように劇場CM、ポスター、新聞・雑誌の映画欄に広告をだし、Excite、Yahoo!などでバナー広告をしました。
決断の要因は「BMWの購入層の85%がオンラインで調査をしてから購入を決めている」ことだけでした。
その結果、映像は、1年弱の間に1400万回見られ、200万のメールアドレスが集まりました。この映像を見たうち40%が見込み客の年収層であり、33%が見込み客の年齢(35-49歳)でした。予測は大当たりだったわけです。
誰もが浮かれてしまいがちな好調な時期に、将来の危機を見抜き、海のものとも山のものともわからないメディアにチャレンジした、というところが素晴らしいと思います。

ピザ・ハット

ピザ・ハットは、より健康的で、低脂肪の商品を持っていないことから、マスコミや消費者から批判を受けていました。そこで、期待に応えられるような「Fit’n Delicious Pizza」を販売することにしました。
しかし、新しいピザは他社の似たような商品の後だったので、通常の発表方法ではあまり良い反応を期待できませんでした。タイミングが悪かったのですね。
そこで、信頼できる栄養学の専門家を活用することにしました。
広く尊敬されている栄養学者と一緒に、およそ25社のメディア説明会を実施し、さらに直接マスコミ各社へ出かけていって理解を求めました。
その結果、USA Today、The Wall Street Journal、New York Times、CNN、Bloomberg、Reutersなど、アメリカの主要なメディアで紹介され、大きな反響を呼ぶことができました。

2社から学ぶこと

これらのケースから、あなたは何を学びますか?
BMWは、自分の顧客がどんな人で、どこに存在しているのか、よく知っていたのですね。だから思い切った投資ができました。
あなたのお客様はどこにいるのでしょうか?
年齢は?性別は?年収は?家族構成は?分析していますか?
また、BMWは顧客がどういったプロセスを経て、自社商品にたどりつくか、も知っていました。それで、的確な広告を打てたのです。
お客様がどうやって自社にたどりついているか、理解していますか?
ピザハットは、権威を借りることで商品に信頼性を裏づけましたね。
また熱心なマスコミ対策をすることで、メディアへの露出(無料での宣伝ともいいます)に成功しました。
記事として掲載されると、広告の3倍の効果があるといわれます。
読んだ人が「マスコミのチェックを通っている」と安心するんですね。
下手な広告を打つくらいなら、うまくマスコミを活用する方法をぜひ知ってください。具体的な方法などは次号以降で。

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