記者クラブの応用
記者クラブは、プレスリリースの配布を行うだけの場所ではありません。
この記者クラブを使って、さらなるPRを行うことも可能なのです。
そのひとつが「サンプリング」です。
たとえば食品会社が新製品発表をする時、プレスリリースやパンフレットだけを配布しても、その食品がどのような味で、どんな食感なのか、香りはどうなのかということは、プレスリリースの文章でしか分かりません。
ということは、記者たちはその範囲での表現しかできないわけです。
食感や香り、味覚のような感覚は、文字で「甘い」とか「カリッとした食感」と書いてあれば、頭でそれは理解しているにすぎません。
そこで、実際にその食品を持ち込んで、記者たちに口にしてもらえば、リリースに書いてあること以上のことも記事にしてもらうことができます。
サンプリングの効用とは
ある食品会社がホワイトアスパラのピクルスを発売する時に、記者クラブにサンプルを持参し、記者の方々に試食してもらいました。
ホワイトアスパラは、缶詰で食べたことのある方も多いでしょうが、柔らかくて甘いものというイメージをもっているのではないでしょうか。
ところが、実際の生のホワイトアスパラはシャキシャキとした歯ごたえが特徴の食材なのです。缶詰の場合、一度加熱してあるため、シャキシャキとした歯ごたえが味わえないのです。
実は、歯ごたえのあるホワイトアスパラは、高級レストランなどでしか食べられない高級食材なのです。
シャキシャキしたホワイトアスパラ?
その高級食材の食感を実現したのが、新製品のホワイトアスパラのピクルスだったのです。
ですから、記者からは、
「エッ、ホワイトアスパラってこんな感じなの?」
と驚きの声があがりました。
結果として、この「驚き」や「感動」をもとにした記者の実感=肌感覚の原稿が掲載され、新製品は好調な滑り出しをみせました。
商品を紹介してもらう要素として「驚き」や「感動」が非常に重要であることは、理解していただけるでしょう。
しかし、その「驚き」や「感動」は文字だけ、プレスリリースだけではなかなかもたらすことはできません。ひと工夫して、このようなサンプリングを行えば、容易にそれを記者に実感してもらい、効果的な記事を生み出すことができるのです。
こうした小技は、PR会社のほうが詳しいので、相談してみましょう。
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